e笑顔通信(^_^)

 Vol.387   8月28日号

 

 ☆  今週の一言(^o^)/  

   
 立ちはだかる壁は

 夢への扉!

 

     By 小野英範 

 

 

  ☆  今週の税情報

 

  印紙税法の基本的な考え方

 

「問」

  今年の4月から会計事務所に勤務している者です。担当するお客様から、

 「この契約書には印紙を貼らないといけないのですか?」というご質問を

 よくいただくのですが、今まで印紙税についてきちんと学習したことがな

 いため、しっかりと回答できません。

  そこで、印紙税法に規定する「課税文書」とはどのようなものかを教え

 てください。

「答」

  印紙税法に規定する課税文書とは、印紙税を納めなければならない文書

 のことをいいます。

  印紙税が課税されるのは、印紙税法で定められた課税文書に限られてい

 ます。この課税文書とは、次の三つのすべてに当てはまる文書をいいます。

 1.印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により

  証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること。

 2.当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。

 3.印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととさ

  れている非課税文書でないこと。

  上記1.の課税物件表に掲げられた文書には、約束手形や株券のように法令

 等によって形式等がある程度定型化されているものと、契約書のように形式

 や内容が作成者の自由に委ねられているものがあります。

  約束手形などのように定型化された文書については、課税物件表に掲げら

 れた文書の名称と現実に作成される文書の名称がおおむね一致するため、あ

 る程度容易に印紙税の課税要否を判断することができます。

  しかし、契約書のように定型化されていない文書については、課税物件表

 に掲げられた文書の名称と現実に作成される文書の名称とが必ずしも一致し

 ないため、「課税物件表に掲げられた文書」というだけでは、その範囲が明

 らかとはいえません。

  そこで、課税文書の範囲をより明確にするために、印紙税法基本通達にお

 いて課税事項が記載され、かつ、上記2.のとおり「当事者の間において課税

 事項を証明する目的で作成された文書であること」とされているのです。

  上記1.及び2に該当する文書のうち、上記3.の印紙税法に定める非課税文書

 に該当しない文書が、印紙税法上の課税文書に該当することとなります。

  課税文書に該当するかどうかは、その文書に記載されている内容に基づい

 て判断することとなります。ただし、この判断はその文書の形式や内容等か

 ら客観的に行うものであって、作成者の恣意的な判断で行うものではないこ

 とにご留意ください。

  当事者の約束や慣習により文書の名称や文言は種々の意味に用いられてい

 ますので、その文書の内容判断に当たっては、その名称、呼称や記載されて
 
 いる文言により形式的に行うのではなく、その文書に記載されている文言、

 符号等の実質的な意味を汲み取って行う必要があるのです。

 例えば、

  ・文書に取引金額そのものの記載はないが、文書に記載されている単価、

   数量、記号等により、当事者間において取引金額が計算できる場合は、

   それを記載金額とすること

  ・売掛金の請求書に「済」や「了」と表示してあり、その「済」や「了」

   の表示が売掛金を領収したことの当事者間の了解事項であるその文書は、

   売上代金の受領書(第17号の1文書)に該当することなどです。

  なお、印紙税は契約書に記載された内容により取扱いが異なりますので、

 ご注意ください。

 

 
 ☆  今週のビジネス情報

 

  企業も定期検診を行いましょう

 

  問題とは「あるべき姿と現状のギャップ」のことを言います。よって、「問

 題」を明らかにするためには「あるべき姿が明らかであること」と「現状を正

 しく認識すること」が必要になります。しかしながら、企業を経営する上で扱

 う業務は多岐に亘り、見るべきポイントも多いため、どこを見れば良いのかが

 わからない、という経営者も少なくありません。

  「経営診断」を行う際に使用する「問診票」の一部を抜粋してみました。

 ・市場環境が厳しい中で、自社の営業力に不安がある。

 ・業績管理のためのしくみが社内に構築されていない。

 ・社員の離職が増加傾向にあり、会社の雰囲気が悪い。

 ・コストを削減したいが、どこから手をつければよいかわからない。

 ・現在の幹部がなかなか育たなくて困っている。

 ・競合他社の脅威が年々強まっているが、具体的な対策が取れていない。

 ・必要なものがすぐに取り出せない状態が常態化している。

 ・企業が成長する中で、社内の管理方法に不安がある。

 ・組織の一体感が乏しく、成長スピードが遅く感じる。

 ・一部の熟練者にしか担当できない業務があり将来的に不安がある。

 ・社内の業務をだれがやっているのかわからない。

 ・不正の発生について気にはしているが、具体的な対策が取れていない。

 ・個人情報の取扱いに関する社内ルールを明確に定めていない。

 ・決算書を見ても、経営課題がわからない。

  「経営診断」の内容は「経営指数」「人財・組織」「生産性」「経営リスク」

 の4つのカテゴリーに分かれており、それぞれに3つから4つの診断メニューがあ

 ります。「問診票」でチェックをした項目をもとに診断すべきテーマを抽出し、

 具体的な診断を行っていきます。実際に詳細な経営診断を行うかどうかは別と

 して、「問診票」にてチェックするだけでも、自社の課題を抽出するヒントが

 得られます。

  人が定期的に健康診断を受診するように、企業も定期的な「経営診断」を通

 じて現状を把握し、早期に改善策を打つことで、長期的な成長を実現できます。

 特に、変化の激しい時代においては、早期に対応したかどうかが、企業の浮沈

 に大きく関わります。

  気がつかないうちに「病」が進行していた、ということにならないためにも、

 決算のタイミングなどを利用して、自社の現状をチェック(診断)することを

 おすすめします。

 

 

                               
  ☆  終わりに 

 

   年齢を重ねるにつれ「角が取れて丸くなった」といわれる人がいる一方、

 せわしない世の中のせいか気が短くなる方もいるようですね。近年は「キレ

 る人」がさらに増えているそうですが、この「キレる」は“snap”といいま

 す。他に「パチンと鳴らす」「ポキッと折る」などの意味もあります。

  短気は損気、イラッとしたら深呼吸で心を静めましょう。

 

 

 ☆ ご縁をいただいた多くの皆さんに、

   雪崩の如く良きことが起こりますように!

 

 

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