e笑顔通信(^_^)

 Vol.396   10月30日号

 

 ☆  今週の一言(^o^)/  

   
 景色を変えたいなら

 歩き出す!

 

     By 小野英範 

 

 

  ☆  今週の税情報

 

  調剤薬局と印紙税

 

「問」

  会計事務所に勤務する者です。

  調剤薬局を経営されているお客様(個人事業者、株式会社各1件ずつ)

 を担当しているのですが、個人事業で調剤薬局を経営されているお客様

 から「自分が経営する調剤薬局で発行する領収書には、印紙は貼らなく

 て良いのですよね?」というご質問をいただきました。

  法人で調剤薬局を経営されているお客様は、売上金額5万円以上の領収

 書には印紙を貼付されていますので、私はそれと同じ扱いで良いのでは

 ないかと思っています。

  調剤薬局が作成する領収書に対する印紙税について教えてください。

 

「答」

  個人経営の調剤薬局では、処方せんによる調剤に関する領収書について

 の印紙税は非課税となります。また、一般の市販薬の販売やその他の物品

 の販売に関する領収書については、原則的には印紙税の課税文書となります。

 1.領収書と印紙税

  金銭又は有価証券の受取書や領収書は、印紙税額一覧表の第17号文書「金

 銭又は有価証券の受取書」に該当し、印紙税が課税されます。受取書とはそ

 の受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書をいい

 ます。したがって、「受取書」、「領収証」、「レシート」、「預り書」は

 もちろんのこと、受取事実を証明するために請求書や納品書などに「代済」、

 「相済」とか「了」などと記入したものや、お買上票などでその作成の目的

 が金銭又は有価証券の受取事実を証明するものであるときは、金銭又は有価

 証券の受取書に該当します。

? 金銭又は有価証券の受取書は、受け取る金銭又は有価証券が売上代金に係

 るものかそれ以外のものかで税額が異なります。売上代金とは、資産を譲渡

 し若しくは使用させること(その資産に係る権利を設定することの対価を含

 みます)又は役務を提供することによる対価(手付けを含みます)、すなわ

 ち何らかの給付に対する反対給付であることをいいます。

? したがって、借入金、担保としての保証金、保険金や損害賠償金などは売

 上代金に該当しません。

  なお、売上代金の領収書で受取金額が5万円未満のものについては、印紙

 税は非課税とされています。

 2.営業に関しない受取書とは

? 第17号文書の金銭又は有価証券の受取書であっても、受け取った金銭など

 がその受取人にとって営業に関しないものである場合には、非課税となりま

 す。

? 営業というのは、一般に、営利を目的として同種の行為を反復継続して行

 うこととされており、おおむね次のように取り扱っています。

 (1)株式会社などの営利法人の行為
 
  その営利法人が直接作成する株式払込金領収書などを除いて営業になりま

 す。

 (2)公益社団法人・公益財団法人などの公益法人の行為
 
  すべて営業になりません。また、一般社団法人・一般財団法人で、法令の

 規定又は定款の定めにより利益金又は剰余金の配当又は分配をすることがで

 きないものの行為も営業になりません。

 (3)協同組合など会社以外の法人の行為
 
  法令の規定又は定款の定めにより利益金又は剰余金の配当又は分配をする

 ことができることになっている法人の場合に、出資者以外の者との行為は営

 業になり、出資者との行為は営業になりません。

 (4)人格のない社団の行為
 
  公益及び会員相互間の親睦等の非営利事業を目的として設立されている場

 合には、営業になりません。その他の人格のない社団が作成する受取書で、

 収益事業に関して作成するものは、営業になります。

 (5)個人の場合
 
 「商人」としての行為は営業になり、事業を離れた私的日常生活に関するも

 のは営業になりません。

 3.調剤薬局が作成する領収書

 ?印紙税法上、店舗などの設備がない農業、林業又は漁業を行っている者が

 自分の生産物を販売する行為や医師、歯科医師、薬剤師、弁護士、公認会計

 士、税理士などの行為は、一般に営業に当たらないとされています。このた

 め、医師等がその本来の業務上作成する受取書は営業に関しない受取書とし

 て取り扱われます。

  薬剤師の業務は「販売又は授与の目的で行う調剤(薬剤師法19条)」であ

 り、その調剤は医師等の処方せんによらなければならない(薬剤師法23条)

 とされています。

  したがって、処方せんによる調剤に関する領収書は、営業に関しないもの

 として非課税となりますが、一般の市販薬の販売やその他の物品の販売に関

 する領収書は、薬剤師がその本来の業務上作成する受取書ではないため、原

 則として印紙税が課税されます。

  なお、上記2(1)にあるとおり、調剤薬局であっても株式会社などの営利

 法人が作成する領収書は営業に関するものに該当し、原則的には印紙税が課

 税されます。

  これは、会社法によって規定されている法人(営利法人)は、利益を獲得

 し出資者にそれを分配することを目的として設立されているため、その一切

 の行為が営業に関するものであるといえるためです。

  このように、同じ事業を営む場合であっても、領収書の作成者が誰である

 かによって印紙税の課税の判断が異なる場合があります。

  十分にご注意ください。

 

 

 
 ☆  今週のビジネス情報

 

  「走るコンビニ」

 

  移動販売車で定期的に商品を届ける「走るコンビニ」が伸びています。

  中でもセブン-イレブンは2019年までに未進出の沖縄県を除く46都道

 府県への展開を目指し、過疎地はもちろん高齢者施設や都市近郊の団地など、

 総務省が後押しする買い物弱者対策事業として積極的に取り組んでいます。

  食料品や日用品のみならずコミュニティの場を提供して地域を見守る役割

 を担うなど、コンビニならではの卓越した顧客サービスに基づくビジネスモ

 デルの構築に期待です。

 

 

                               
  ☆  終わりに 

 

  【がん消滅の罠 完全寛解の謎】という本の紹介

  
  末期がん患者が保険会社から多額の生前給付金を受け取る。するとすぐに、

 がんが消失するという奇跡が続けて発生する。何重にも張り巡らされた謎、

 最後に待ち受ける衝撃。読後すぐに読み返したくなる一冊です。

 

 

 ☆ ご縁をいただいた多くの皆さんに、

   雪崩の如く良きことが起こりますように!

 

 

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