e笑顔通信(^_^)

 Vol.399   11月20日号

 

 ☆  今週の一言(^o^)/  

   
 制約条件があるほど

 新しい方法が見つかる!

 

     By 小野英範 

 

 

  ☆  今週の税情報

 

  夫の交通事故死と相続税の債務控除

 

「問」

  私の夫は個人商店を経営していたのですが、その夫が3ヶ月前、商品

 の配達途中に交通事故で亡くなりました。

  事故の原因は私の夫の不注意でした。交通事故の被害者は重傷を負い、

 現在入院中です。事故の原因が夫にあったことから、夫の相続人である

 私はその被害者に対して私個人の預金から見舞金や治療費として200万円

 を支払いました。
 
  また、夫の死亡によりその個人商店の事業は継続できなくなりました。

 このため、私はその商店で雇用していた従業員を解雇し、退職金300万円

 を支払いました。

  交通事故の示談交渉と個人商店事業の整理にはようやく目途がついたの

 ですが、夫が残した財産6,000万円について、相続税の申告をしなければ

 ならないことに気づきました。

  そこで、夫の相続税の申告について、上記の見舞金等や退職金がどのよ

 うに取り扱われるかを教えてください。

 

「答」

  ご相談者が、亡くなったご主人(以下、被相続人)の相続人として交通

 事故の被害者に対して支払った見舞金等は、相続税の課税価格の計算上、

 被相続人の債務として控除することができる可能性が高いと考えられます。

  また、被相続人が雇用していた従業員に対して支払った退職金について

 も、相続税の課税価格の計算上、被相続人の債務として控除することがで

 きると考えられます。

  相続税を計算するときは、被相続人が残した借入金などの債務を遺産総

 額から差し引くことができます。これを相続税法上の「債務控除」といい

 ます。

  遺産総額から差し引くことができる債務は、被相続人が死亡したときに

 あった債務で確実と認められるものです。

  交通事故が被相続人(亡くなったご主人)の過失に基づくものであると

 のことですので、被相続人は加害者としての損害賠償の責任を負って死亡

 したことになります。この場合、相続人(ご相談者)は民法の規定により、

 被相続人の財産だけでなくその損害賠償の責任も相続により承継すること

 になると考えられます。

  このため、ご相談の被害者に対する見舞金等が、この損害賠償責任の範

 囲内のものと認められるときには、被相続人の債務に該当するものとして、

 相続税法上の債務控除が適用できると考えられます。

  次に、被相続人の死亡によって事業を廃止せざるをえなくなった場合、

 雇用していた従業員については、やむをえず解雇することになるかと思い

 ます。

  そのような場合において、相続開始後に解雇した従業員に退職金を支払っ

 ているときは、その支給された退職金は、被相続人の生前において、被相続

 人が事業を営んでいた期間中の労務の対価であると考えられます。

  よって、その退職金は被相続人が死亡したときにあった債務で確実なもの

 であると認められますから、相続税の課税価格の計算に当っては、その金額

 を控除できることとなります。

 

 

 
 ☆  今週のビジネス情報

 

 

  企業の戦う領域を明らかにしよう

  企業が将来像を明らかにする場合、進むべき方向性を定めるのが経営ビジョン

 や経営方針とするならば、その具体的な道筋を示すものが経営戦略と言えます。

  この経営戦略を構築する上で真っ先に考えておくべきものが、「事業領域(ド

 メイン)」と呼ばれるものです。この「事業領域」は、企業の戦う領域を定める

 ものです。「事業領域」を定めることで、企業の事業展開を広げる範囲を明らか

 にし、その領域における社員の思いの方向性を同じにし、経営資源を集中させる

 ことができます。

  つまり企業が経営ビジョンや経営方針を実現しようとするときに、何をするの

 か、その選択肢の領域を定めることともいえます。
?
  この「事業領域」を設定する場合には、まずはじめに経営者の価値観である

 「経営理念」と「環境変化」から導き出される方向性との整合性を考慮して設定

 します。経営理念から逸脱した「事業領域」では、社内の一体感が形成されませ

 ん。次に、その選択した「事業領域」が将来への成長性を持っていることです。

 いくら経営理念と整合が取れた「事業領域」を設定しても、将来性のない「事業

 領域」を設定したのでは、そもそも戦略とは言えないからです。

  また、その「事業領域」で自社の強みが活かせるかも重要なポイントとなりま

 す。強みが発揮できないとすぐに他社との競争に敗れ、十分な成果を確保するこ

 とができないからです。

  さらにこの「事業分野」を設定する際には、広すぎても狭すぎても問題があり

 ます。広すぎる場合、前述したとおり経営資源が分散したり、方向性が曖昧にな

 るなどの問題があり、狭すぎる場合は環境変化への対応が困難となるからです。

  よって戦略を考える場合には、この事業領域をどう捉えるかが重要なポイント

 になるのです。

 

 

                               
  ☆  終わりに 

 

  水あかなどで曇りがちなお風呂の鏡。その鏡を濡らしてからジャガイモの

 皮で磨き、水で洗い流すか新聞紙や乾いた布で拭き取るときれいになります。

  鏡のほか、台所のシンクや水道の蛇口にも効果があります。オレンジなど

 の柑橘類の皮でも一度お試しください。

 

 

 ☆ ご縁をいただいた多くの皆さんに、

   雪崩の如く良きことが起こりますように!

 

 

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