e笑顔通信(^_^)
Vol.366 3月27日号
☆ 今週の一言(^o^)/
失敗の数は
ノウハウの数!
By 小野英範
☆ 今週の税情報
「相続した実家の売却に係る特例」
「問」
昨年、実家で一人暮らしをしていた母が亡くなりました。実家
の土地建物は私が相続しましたが、私もマイホームを別に構えて
おり、実家を管理所有し続けていくのは難しい状況であるため、
売却することにしました。相続した実家を売却する場合の税金の
特例について、教えて下さい。
「答」
相続されたご実家を売却した場合には、その譲渡所得を計算す
る際に「空き家に係る譲渡所得の特別控除」または「相続税の取
得費加算の特例」を適用できる可能性があります。
空き家に係る譲渡所得の特別控除とは、相続人が被相続人の居
住用家屋を相続した場合で、一定の要件に該当するときは、その
家屋及びその敷地の譲渡所得から3,000万円の特別控除額を控除す
ることができる特例です。
主な適用要件
1 相続開始直前において、被相続人のみが居住していた家屋で
あること
2 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
3 相続の時からその相続の開始があった日以後3年を経過する
日の属する年の12月31日までに譲渡すること
4 譲渡の対価の合計額が1億円以下であること
5 平成28年4月1日から平成31年12月31日までの譲渡
であること
相続税の取得費加算の特例とは、相続人が相続により取得した
土地、建物、株式などを、一定期間内に譲渡した場合に、その相
続人が納付すべき相続税額のうち、一定金額を譲渡資産の取得費
に加算することができる特例です。
主な適用要件
1 相続等によって取得した財産
2 納付すべき相続税がある者
3 相続の時から相続税の申告期限の翌日以後3年以内の譲渡
なお、これらの特例は併用できません。どちらか一方を選択し、
適用します。また譲渡期限にもご注意ください。
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☆ 今週のビジネス情報
「元商社マンの2代目社長が中小製造業の新モデルを構築」
「潤滑剤」という何の変哲もないジャンルで、一大ヒット商品を生み出した
のがスズキ機工(千葉県松戸市、鈴木豊社長)だ。その名も「奇跡の潤滑剤ベ
ルハンマー」。食品工場などの現場ニーズを汲み上げて開発したベルハンマー
は、鈴木社長の血と汗ならぬ“知恵と汗の結晶”となる。自称、「職人と商人
の血が混ざっている」という元商社マンの2代目社長は、あふれるアイデアを
次々と形にし、中小製造業の新モデルを構築した。
同社は鈴木社長の父親が1976年に設立した。一斗缶(18リットル缶)
などをつくる製缶機械のメンテナンスからスタートして機械製造に乗り出すも
得意先の製缶会社がバブル崩壊のあおりで倒産し窮地に立つ。そんな折、商
社で食品輸入に携わっていた鈴木社長が、父に乞われ入社。斜陽の製缶に見切
りをつけ、商社時代の人脈を生かした食品機械づくりへとシフトして経営を立
て直す。大手食品メーカーとの取引も増えていったが、食品機械は「一品料理」
でメンテに手間暇がかかるなどから利幅の薄い自転車操業の状態が続く。そ
のため、取引先を車で1時間以内の企業に絞るなど、あの手この手を打ち出し
ていく。
あの手この手の一つが潤滑剤の製品化。数多くの顧客企業の工場に入り込ん
で、現場ニーズを熟知した同社ならではのチャレンジで、金属表面に被膜を形
成し摩擦・磨耗の抑止に大きな効果を生む潤滑剤の開発に成功した。この「奇
跡のベルハンマー」を展示会に出展し試験装置による比較性能を実演したとこ
ろ黒山の人だかりとなり、テレビスタッフの目にも留まる。全国ネット番組の
その名も「展示会で発見!未来の儲かる原石」で紹介されたら「注文が殺到
すぐに在庫がなくなって2カ月間、クレームが続いた」(鈴木社長)。
今では看板商品のベルハンマーのほか、奇跡の粉かけ装置、奇跡の電線収納
ラック、奇跡の振動ふるい、奇跡の掃除機ノズル、奇跡の切れ味「ベルシザー
(工業用はさみ)」など、たくさんの奇跡シリーズ製品を品揃え。そのほとん
どが鈴木社長のアイデアという。経済学部卒の元商社マンは、家業を継ぐこと
を決めてから設計、機械加工、電気制御を必要に迫られ独学で身に付けた。そ
んな社長の知恵と汗が“儲かる原石”を次々と世に輩出した格好だ。
奇跡シリーズ製品は、国内各地はもちろん、海外での販売実績も積み上げて
いる。世界に販売する製品群と、車で1時間エリアの食品工場向け一品料理。
この組み合わせの妙が、同社の強み、持ち味となっている。鈴木社長は「福祉
のチカラ∞商売のチカラ」のうたい文句のもと、ビジネスを通して障害者を支
援する「マツボックリ君3兄弟プロジェクト」の活動にも力を入れている。「
職人の血」と「商人の知」がうまくミックスし、自然体で八面六臂に活躍でき
る強靭な筋肉が、鈴木社長にもスズキ機工にもしっかり付いたようだ。
☆ 終わりに
春は出発(たびだち)のシーズン。こんな季節にぴったりの映画『は
じまりへの旅』が4月1日から公開されます。
主人公はアメリカ北西部の森の奥深くで現代社会と交わることなく暮
らす父親と6人の子どもたち。独特な教育方針のもと育った子どもたち
は全員アスリート並みの体力を持ち、6カ国語を操り、18 歳の長男に至
っては名門大学すべてに合格するほどでした。
ところがある日、入院していた母親が亡くなり、一家は葬儀が行われ
るニューメキシコまで2400km の旅に出ることになります。「普通ってな
に?」「家族ってなんだろう?」未知の世界へ一歩踏み出したとき、誰
もが抱く問いに迫った物語はカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で監
督賞を受賞して話題になりました。
この春から新たな環境にチャレンジする人や、旅立つ家族を送り出す
人におすすめしたい名作です。心温まる物語が、次の世界でも幸せをつ
かむ力を与えてくれるのではないでしょうか。
☆ ご縁をいただいた多くの皆さんに、
雪崩の如く良きことが起こりますように!ヴぉl