決算書は黒字。 経営者は「うちは利益出てるから!」と胸を張る。
ところが通帳を見ると、まるで正月に親戚が来た後の冷蔵庫みたいにスカスカ。
「どこに消えたんだ、うちの現金……」と首をかしげる。
その答えはだいたい、交際費5,000万円 である。
会計上は費用として落ちるが、税務では損金不算入。
つまり、使ったのに経費にならず、税金だけ増える という、コントのようで全然笑えない現実が待っている。
経営者は言う。 「全部、売上につながる飲み会だからさ」 しかし税務署は言う。 「それは飲み会につながる飲み会ですね」 この温度差がまた絶妙である。
もし交際費が800万円以下なら,
税務上も全額損金となり、資金繰りは一気に改善する。
つまり、飲み会を減らすだけで会社が健康になる という、生活習慣病の改善みたいな話だ。
それでも経営者は交際費を減らさない。 交際費は人脈・信用・プライド・孤独の癒しが混ざった“心のサプリ”だからだ。
「減らしましょう」と言うと、 ダイエット中にケーキを取り上げられた人みたいな顔をする。 そりゃ聞かない。
しかし資金繰りは待ってくれない。 借入は増え、返済は増え、現金は減り、 最後には「黒字倒産」というオチがつくこともある。
笑えないけど、笑うしかない。
交際費4,000万円を続ける会社は、 “経営者の気分”で動き、“資金繰りの現実”で沈む。
そして多くの場合、沈む瞬間になって初めて気づく。
「あの飲み会、本当に必要だったのか?」
気づいた時には、もう遅い。 だから専門家として言えるのはひとつだけ。
会社を守りたいなら、まず自分の交際費を守りなさい。
経営は気分ではなく、現金で動くんですよ。


