毎年110万円ずつ子供の預金通帳に贈与しました。

10年経ち節目でもあるから預金通帳を子供に渡しました。

それまで子供はその預金の存在を知りませんでした。

その三年後に贈与者である父は他界しました。

相続税の申告には3年以前分の贈与(現在は7年に以内に改正)は相続税の申告に加算する必要はないと判断して申告をしました。

しかし、この贈与財産は相続税の申告に加算しなさいということになりました。

なぜか。

相続人である子供は、自分名義の通帳に毎年110万円の振込があった事実を知りませんでした。

まとまったお金を渡された時点で、この預金の存在を知りました。

諾成契約とは承諾があって初めて成り立つ契約です。

贈与者の贈与する意思と受贈者の贈与を受ける意思があって初めて成り立つ契約です。

この預金は「形式は子供の預金だけど、実態は父親の財産」と判断されたわけです。

贈与するのであれば渡す相手側と贈与契約を結ぶなどの互いの意思確認を確実に実行しましょう。

相続税の調査では、名義預金(名義は子供などでも実態は被相続人である父親などの預金)の指摘であったり、過去の贈与が本当に成立していたのかなどがピックアップされます。